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公開日​:

2026年1月27日

ピッキング作業を効率化するための改善ポイント|運用見直しとシステム活用の考え方

  • 執筆者の写真: 百合子 後藤
    百合子 後藤
  • 1月5日
  • 読了時間: 22分

更新日:2 日前

倉庫や物流センターでは、商品の取り違えや探す時間の増加、歩行距離の長さなど、さまざまな要因がピッキング作業の効率を左右します 。特にEC需要の拡大により品目数が増える中、従来の紙リストや経験に頼った作業では、「スピードと正確さ」の両立が難しくなりつつあります 。

 

こうした背景から、現場の運用を見直しつつ、効率化につながる仕組みづくりを行う重要性が高まっています 。

 

本記事では、ピッキング作業が非効率になる要因、現場で取り組める改善ポイント、さらにデジタル技術を活用した効率化の手段までを整理します。


目次



1.ピッキング作業が非効率になりやすい理由


ピッキング作業は、倉庫の生産性を左右する中心的な工程です。しかし、商品点数の増加や注文特性の複雑化などにより、従来のやり方では効率が落ちやすくなる場面が増えています。

 

ピッキング作業でのムダな時間

ここでは、現場でよく見られる非効率の要因を整理します。







1-1 商品を探す時間が長い

棚の配置が不明確だったり、ロケーションが適切に管理されていなかったりすると、商品を探すのに時間がかかります。

特に、似たような商品が密集している場合や、棚番号のルールが現場で統一されていない場合は、探す工程が大きな負担になります。

 

商品を探す時間が長くなると、歩行距離が増えるだけでなく、作業者の集中力が途切れやすくなり、結果としてミスやタイムロスにつながります。


1-2 棚配置や動線が最適化されていない

倉庫レイアウトが複雑だったり、動線が整理されていないと、作業が円滑に進みません。

以下のような状況では、効率が大きく下がる傾向があります。

 

      通路が狭く混雑しやすい

●      入荷・出荷で同じ動線を使い、作業が干渉する

      高頻度商品が奥に配置されている

      シーズンごとの商品入れ替えにレイアウト変更が追いついていない

 

こうした状態では、必要以上の歩行や迂回が増え、作業スピードが安定しにくくなります。

 

紙リストや印刷したExcelリストは、多くの現場で利用されていますが、情報が整理されていないと作業効率を下げる原因になります。

特に、リストの構成や記載方法に問題がある場合、探す工程に時間がかかったり誤読が発生しやすくなります。

 

主な課題としては次のような点が挙げられます。

 

      棚順とリストの順番が一致していない

      商品名や型番の表記ゆれで見分けにくい

      フォントが小さく視認性が低い

 

これらの問題が積み重なると、商品確認の負担が増えるだけでなく、取り違えにつながり、作業スピードも安定しなくなります。


1-3 作業者の経験差が大きい


ピッキング作業は、商品知識や棚配置をどれだけ理解しているかによって作業スピードや精度が大きく変わります。経験者は棚の位置や商品の特徴を把握しているためスムーズに作業できますが、不慣れな担当者は確認作業に時間がかかり、ミスも起こりやすくなります。

 

現場で見られる経験差による課題としては、次のようなものがあります。

 

      熟練者が確認を省略し、思い込みによる取り違えが発生する

      新人は棚を探す時間が増え、数量確認が疎かになりやすい

      作業手順が属人化しており、担当者によって確認ポイントが異なる

 

このような状態を放置すると、品質が安定せず、作業者の入れ替わりが多い現場ほどミスが増える傾向が続きます。

作業ルールを統一できていない場合、経験差を完全に埋めることは難しく、生産性のばらつきも発生しやすくなります。


1-4 繁忙期や波動による作業負荷の変動

繁忙期やセール時期など、一時的に注文量が増えるタイミングでは、作業者にかかる負荷が急激に高まり、通常では発生しないミスが増えやすくなります。短時間で大量の注文を処理する必要があるため、確認作業が省略されやすく、集中力の低下も避けられません。

 

現場でよく見られる状況としては、次のようなケースがあります。

 

●      時間に追われ、棚番や商品名の確認が雑になる

      人手不足を補うため不慣れな作業者が応援に入り、品質が安定しない

      再入荷や棚移動が増え、ロケーション情報が正しく共有されていない

      作業者同士の動線が干渉し、混雑によって焦りが生まれる

 

繁忙期はとくに「確認の質」が下がりやすく、普段の運用ルールが守られなくなることで、取り違えや数量違いが増加しがちです。出荷量の波が激しい現場ほど、負荷増大を前提とした仕組みづくりが欠かせません。



2.現場で実施できるピッキング効率化策


ピッキング作業を効率化するためには、特別な設備やシステムを導入しなくても取り組める「運用改善」が数多く存在します。

 

作業環境や棚配置、リストの作り方など、目に見える部分を整えるだけでも作業スピードが安定しやすくなり、ミスの抑制にもつながります。

 

ここでは、現場で取り組みやすく効果が出やすい代表的な改善策を紹介します。


2-1 ロケーション管理の最適化

ロケーション管理は、ピッキング効率を左右する最も基本的な要素です。棚番号が分かりにくい、配置ルールが曖昧、類似商品が近くに並んでいるなどの状態が放置されると、探す時間が増えるだけでなく、取り違えのリスクも高まります。

また、多品種商品を扱う倉庫では、ロケーションの乱れがそのまま作業全体の非効率につながりやすく、効率化のボトルネックになるケースが少なくありません 。

 

改善ポイントとして多くの現場で取り入れられているのが、次のような取り組みです。

 

      棚ラベルを大きく・見やすく刷新し、統一したデザインにする

●      色分けやエリア分けを取り入れ、遠くからでも位置が把握できるようにする

●      類似商品や紛らわしい品番のものは、あえて離れた棚に配置する

      使用頻度の高い商品を手前や作業しやすい高さに再配置(配置見直し)する

      レイアウト変更後のロケーション更新を徹底する

 

ロケーション管理が整うと、探す時間が大幅に減り、作業者の経験差によるバラつきも小さくなります。棚を見ただけで「どこに何があるか」がすぐに判断できる環境は、効率化とミス削減の両面において大きな効果を発揮します。


2-2 倉庫レイアウトと動線の最適化

倉庫内のレイアウトや動線は、ピッキング効率に直接影響します。棚の配置が複雑だったり、通路が狭かったりすると、移動時間が増えるだけでなく、混雑によるストレスや焦りがミスにつながることもあります。

特に、多頻度の商品が遠い位置に分散している場合、無駄な移動が積み重なり、結果として1日の作業量に大きな差が生まれてしまいます 。

 

効率の良いレイアウトを作るためには、作業者が迷わず移動でき、無駄な歩行や立ち止まりが生まれない配置を考えることが重要です。改善例としては、次のようなポイントが挙げられます。

 

      通路幅を広めに確保し、すれ違い時のストレスや動きの滞りを減らす

      ピッキング順に合わせて商品を並べ、行き戻りが発生しない棚配置にする

●      高頻度出荷品度の高い商品を入口付近や中央に集め、動線を短縮する

●      一つの作業エリアに人が集中しないようにゾーニングを工夫する

      棚の高さや位置を統一し、直感的に把握できる倉庫構造に整える

 

こうしたレイアウト改善は、設備投資をせずに実施できる場合が多く、即効性の高い効率化施策として多くの現場で取り入れられています。

 

動線がスムーズになると、作業のリズムが整うため、スピードだけでなく集中力の維持にもつながります。


2-3 ピッキングリストの標準化

ッキングリストは作業者が最も頻繁に目を通す情報であり、「案内図」のような役割を果たします。内容が整理されていないと効率が大きく損なわれます。紙リストやExcelリストは扱いやすい反面、情報の並びや表記が統一されていないと、探す時間が増えたり、読み間違いにつながるケースが多く見られます。

特に、棚順とリストの順番が異なっている場合、作業者は倉庫内を行ったり来たりすることになり、動線のムダが増えます。また、商品名や型番の表記ゆれが多いと、似た名称が続く場面で判断が難しくなり、集中力の低下や誤読を引き起こします。

 

こうした問題を解決するには、リストの構成や表示内容を統一することが重要です。代表的な改善ポイントとしては、次のような取り組みがあります。

 

      リストの順番を棚順・ロケーション順に一致させ、移動のムダをなくす

      商品名や型番の表記を統一し、※1表記ゆれをなくすことで視認性を高める

      注意が必要な商品に印や色付けを行い、見落としを防ぐ

      フォントサイズや行間を[後藤1] 大きくするなど、視認性に配慮したレイ    アウトに変更する

 

これらの標準化は大きなコストをかけずに実施でき、ピッキング効率の底上げに効果があります。リストが見やすくなることで作業スピードが安定し、ミス発生率も自然と下がるため、初心者から熟練者まで負担の少ない運用が可能になります。

 

※1表記ゆれとは

同じ意味を持つ言葉に対して、漢字・ひらがな・カタカナ、全 角・半角、送り仮名、長音符の有無などで異なる書き方が混在している状態 


2-4 ロケーション管理の継続的メンテナンス

ピッキング効率を高めるうえで、ロケーション管理の整備は非常に重要です。棚番号や商品配置が分かりにくい状態では、商品を探す時間が増え、作業者ごとのスピード差も大きくなってしまいます。特に、多品種商品を扱う倉庫では、ロケーションの乱れがそのまま作業全体の非効率につながりやすく、効率化のボトルネックになるケースが少なくありません。

 

ロケーションが最適化されている倉庫では、作業者が棚番号のルールや配置の構造を直感的に理解できるため、初心者でも作業に入りやすく、歩行距離の削減にもつながります。また、頻繁に出荷される商品が取りやすい場所に集約されていると、作業リズムが安定し、繁忙期でもスムーズに対応できるようになります。

 

ロケーション管理の改善でよく行われる取り組みとして、次のようなポイントが挙げられます。

 

      棚ラベルの刷新や大きめの表記による視認性向上

      使用頻度の高い商品の配置見直し

      類似商品・サイズ違いを離れた棚に再配置

      レイアウト変更後のロケーション更新を徹底

 

これらの取り組みを継続的に行うことで、作業者の「探す時間」を大幅に減らすことができ、結果としてピッキングスピードと作業品質の両方が向上します。特に、新人教育の時間短縮や属人化の解消にも効果があるため、倉庫全体の効率化に直結する項目です。


2-5 倉庫レイアウトの改善

倉庫のレイアウトは、ピッキング効率に直結する重要な要素です。通路が狭すぎたり、棚の配置が不規則だったりすると、歩行距離が増えるだけでなく、作業者同士がすれ違う際に動きが滞り、作業ペースが乱れてしまうことがあります。特に、多頻度の商品が倉庫内の遠い位置に分散している場合、無駄な移動が積み重なり、結果として1日の作業量に大きな差が生まれてしまいます。

 

効率的なレイアウトを整えている倉庫では、通路の幅や棚の並び方が明確に設計されており、作業者が迷わずスムーズに動ける環境が整っています。動線が整理されていると、商品を探す前に歩き回る時間が減り、ピッキング作業のリズムも安定します。また、混雑が起きにくくなるため、繁忙期でも一定のスピードで作業を進めやすくなることが大きなメリットです。

 

レイアウト改善の際には、次のような方向性がよく検討されます。

 

●      通路幅を確保し、すれ違い時のストレスを軽減する

      出荷頻度の高い商品を入口付近や中央付近に集約する

      ピッキング順に沿った動線を設計し、倉庫内を行き来する回数を減らす

●      棚の高さや位置を統一し、直感的に把握できる倉庫構造に整える

 

これらを計画的に見直すことで、倉庫全体の流れがスムーズになり、作業者の集中力も維持しやすくなります。結果として、歩行距離の削減だけでなく、ピッキングミスの減少にもつながり、現場の生産性向上に大きく寄与します。


2-6 ピッキングリストの標準化

ピッキングリストは、作業の正確性とスピードを支える「案内図」のような役割を果たします。しかし、紙リストや手作りの Excel リストは、項目の並びが現場の棚順と一致していなかったり、商品名や型番の表記にゆれがあったりすると、作業者が内容を理解するまでに時間がかかり、効率を大きく損なってしまうことがあります。特に、英数字が並ぶ型番や類似名の商品が続く場合、視認性が低いリストは誤読・取り違えの原因となりやすい傾向があります。

 

リストの標準化が進んでいる現場では、棚順に沿った並びに統一されており、視認性の高いフォントや強調表示が適切に施されています。そのため、作業者は自然な流れで棚を巡ることができ、探す手間が大幅に減少します。また、新人や短期スタッフでも短時間で慣れることができるため、繁忙期での戦力化にも効果があります。

 

改善の方向性として、次のような取り組みが挙げられます。

 

      リストの順番を棚順・ロケーション順に統一する

      商品名や型番のフォーマットを統一し、表記ゆれをなくす

      注意すべき商品に色付けやマークを追加する

●      フォントサイズや行間を見やすいバランスに調整する

 

これらの工夫により、確認作業にかかる負担が減り、リストの読み間違いが発生しにくくなります。結果として、ピッキング作業の流れそのものが改善され、作業スピードと精度の向上に直結する施策となります。


2-7 教育強化と作業ルールの標準化

ピッキング作業は「確認方法」「数量認識」「棚の読み方」など、細かな判断と作業手順に支えられています。作業者ごとの経験差が大きい現場では、スピードや精度にばらつきが出やすく、忙しい時期ほどミスが発生しやすい傾向があります。属人化した手順で進めている場合は、本人しか知らない方法が混在し、全体の品質管理が難しくなるケースも少なくありません。

 

教育が整っている倉庫では、確認手順や作業フローが明文化されており、誰が作業しても同じ品質を保てるように標準化が図られています。新人が早く作業を覚えられるだけでなく、経験者も一定の基準に合わせて作業するため、チーム全体での品質が安定しやすくなります。また、作業者全員が共通認識を持つことで、繁忙期でも混乱が起きにくい現場づくりが実現できます。

 

教育・統一ルールの整備では、次のような取り組みがよく行われます。

 

      指差し確認や声出し確認による確実なチェック

●      バーコード読み取りのタイミングや手順の統一

●      商品を手に取る前後の確認ポイントの明確化

      新人研修マニュアルやチェックリストの整備

      「速さ」よりも「正確さ」を評価する制度づくり

 

こうした取り組みを継続することで、経験差による品質のブレを抑えられ、安定したピッキング精度が維持できるようになります。結果として、作業ミスの削減だけでなく、現場全体の業務効率向上にもつながる重要な取り組みです。

 

2-8 検品工程の追加・強化

 

ピッキング作業の精度を高めるうえで、後工程の検品は欠かせない仕組みです。どれだけ丁寧にピッキングしても、人の目による確認には限界があり、数量違いや取り違えが発生する可能性は完全には排除できません。特に、繁忙期ほど確認作業が省略され、ミスが目立ちやすくなってしまいます

 

検品工程がしっかり整備されている倉庫では、ピッキング結果を別の手段でもう一度確認することで、ミスを最終段階で防ぐ役割を果たしています。また、ダブルチェックや機械的な照合を取り入れている現場では、作業者の経験に依存することなく、高い精度で出荷品質を維持できます。また、検品結果が履歴として残る仕組みであれば、後から原因分析を行う際にも役立ちます。


実際に現場で取り入れられる検品方法としては、次のような例があります。

 

      別の作業者によるダブルチェック

      バーコードスキャンによる自動照合

●      出荷前チェックリストによる確認手順

●      定期的な棚卸しによる誤在庫の早期発見

 

こうした工程を確実に実行することで、ピッキング工程だけでは防ぎきれないミスを補完でき、誤出荷のリスクを大幅に下げることができます。結果として、顧客対応や再配送の負担軽減に、倉庫全体の運営効率を高める効果にもつながります。


 


3.ピッキング作業を効率化するためのシステム活用


現場の工夫だけでも一定の効率化は可能ですが、品目数の増加・注文量の波・人材不足といった環境変化を考えると、手作業のみで高い品質を維持し続けることには限界があります。特に、紙リスト運用や目視確認中心の現場では、ミスの原因となる「探す時間」「読み間違い」「確認漏れ」を完全に防ぐことが難しく、改善の伸びしろも頭打ちになりやすい傾向があります。

 

こうした課題に対して、近年多くの倉庫が取り入れているのが、デジタル技術を活用したピッキング支援システムです。デジタル化された指示は、作業者の習熟度に左右されにくく、誰でも同じ手順で作業できるため、効率化と品質向上を同時に実現できる点が大きな強みです。また、リアルタイムで作業データが記録されるため、誤出荷の原因分析や業務改善にも活用しやすくなります。

 

代表的なピッキング支援システム

  • デジタルピッキング(DPS:Digital Picking System):棚のランプが点灯してピッキング個所を示す

  • タブレットピッキング:タブレットで棚順に沿って案内する

  • ボイスピッキング:音声ガイドに従って作業を進める


これらのシステムは共通して「探さない」「迷わない」「確認できる」という要素を実現できるため、マンパワーに依存しない効率化が可能になります。

 

さらに、バーコード照合による検品システムと組み合わせることで、取り違えや数量違いのミスをシステムが自動的に検知し、誤出荷を未然に防ぐ仕組みも構築できます。このような「人の作業をシステムで補う仕組み」は、作業者の負担を減らすだけでなく、繁忙期でも品質が安定しやすい運用につながります。

 

デジタル化は単なる省力化ではなく、長期的な倉庫運営における安定性を高める取り組みとして注目されています。特に、多品種少量出荷が増える現在の物流では、システム活用による効率化が競争力の大きな差につながるようになっています。



4.ピッキング効率化が企業にもたらすメリット


ピッキング作業の効率化は、単に作業スピードが上がるだけでなく、倉庫全体の生産性やコスト構造にも大きな影響を与えます。特に、出荷量の増加や人材確保の難しさなど、現場の負担が高まっている今、効率化によって得られるメリットはこれまで以上に重要視されています。

 

ここでは、ピッキング作業を改善することで企業が得られる代表的なメリットを整理します。


4-1 出荷スピードの向上

ピッキング工程は出荷までの流れの中で最も時間がかかる作業の一つです。そのため、探す時間や歩行距離を削減するだけで、出荷全体のリードタイムが大きく短縮されます。

 

倉庫レイアウトの改善や棚順に沿ったリスト整備システムの活用などで作業が流れるように進むと、ピーク時でも安定した処理能力を維持できるようになります。

 

出荷スピードが向上すると、結果としてECの即日配送や短納期に対応しやすくなり、顧客満足度の向上にもつながります。


4-2 作業コストの削減

ピッキング効率化によってムダな歩行や探す時間が減ると、同じ人員でもより多くの出荷量を処理できるようになります。これにより、追加人員の確保や残業対応の頻度を抑えられ、運用コストの削減につながります。

 

また、作業のばらつきが小さくなることで、教育コストの低減にも効果があります。標準化された手順により新人でも短期間で現場に馴染みやすくなり、教育コストの低減にも戦力化までの時間を短縮できます。


4-3 品質の安定と誤出荷の減少

作業負荷が減ることで、効率化された現場は作業負荷が減るため、確認作業に余裕が生まれます。その結果、数量違いや取り違えなどのミスが減少し、出荷品質が安定します。

 

誤出荷の減少は返品・再配送の削減につながり、コストだけでなく顧客対応にかかる負担も軽減されます。特に、ECの返品・再配送は金額以上に工数がかかるため、品質の安定は業務全体の効率化に直結します。


4-4 繁忙期でも安定した運用が可能になる

繁忙期は作業負荷が急増し、経験者と新人の差が表れやすい時期です。しかし、システムによる指示や棚配置の改善が整っていると、経験者と新人の差が出やすい繁忙期でも、誰でも同じ手順で作業できるため、繁忙期でも品質を維持しやすくなります。

 

在庫や棚配置の仕組みが整った現場では、応援スタッフや短期アルバイトでも短い教育時間で作業に入れるため、人手不足が続く環境でも安定した運用が可能になります。


4-5 データを活用した現場改善がしやすくなる

タブレットやデジタルピッキングなどのシステムを導入して効率化が進むと、作業データが蓄積され、現場改善の材料として活用できるようになります。

 

作業時間・誤出荷履歴・棚別の生産性などのデータを分析できれば、ボトルネックが明確になり、改善の優先順位も判断しやすくなります。感覚や経験に頼らない改善が可能となり、長期的な業務最適化にもつながります。



5.効率化を進めるうえで押さえるべきポイント


ピッキング作業の効率化を成功させるためには、個々の改善施策を単独で行うだけでなく、全体の運用を見直しながら、継続的に仕組みを整えることが重要です。特に、システム導入を検討する場合は、現場の状況や作業特性を踏まえて「どの部分に効果が出るのか」「どのように運用へ落とし込むか」を明確にしておく必要があります。

 

ここでは、効率化を成功させるために押さえておくべき代表的なポイントをまとめます。


5-1 現場の作業特性と課題を明確にする

効率化の方向性を決めるうえで、まず必要なのは現場の課題整理です。

例えば、歩行距離が長いのか、探す時間が多いのか、確認作業が複雑なのかによって、取り組むべき改善策は大きく変わります。

 

現場分析の視点としては、次のような点が参考になります。

 

      1件のピッキングにかかる平均時間

      商品配置(ロケーション)の分かりやすさ

      棚間の滞留や混雑が発生する箇所

      作業者ごとのスピード差や品質の差異

●      ミスが起きやすい棚や商品

 

現状を可視化することで、改善の優先順位が明確になり、効果的な施策を選びやすくなります。


5-2 運用改善とシステム活用を組み合わせて検討する

効率化には、現場の運用改善(棚配置・リスト整備・動線改善など)と、システムによる仕組み化の両方をバランスよく取り入れることが重要です。

 

どちらか一方だけに偏ると課題が残りやすく、十分な効果が得られないケースもあります。

例えば、棚配置が整っていない状態でシステムを導入しても、本来の性能が発揮されないことがあります。そのため運用改善で“土台”を整えたうえで、システムを導入することで、相乗効果が得やすくなります。


5-3 倉庫レイアウト・棚配置の見直しを継続する

ピッキング効率はレイアウトの影響を大きく受けますが、改善は一度で終わるものではありません。

季節商品やキャンペーン商品が多い倉庫では、棚移動や配置変更が頻繁に発生するため、ロケーションの乱れが効率低下を招くことがあります。

 

定期的に棚配置を見直したり、動線を再評価したりすることで、効率化を持続させることができます。


5-4 標準化された作業ルールを整備する

どれだけ改善を進めても、作業手順が統一されていないと品質のばらつきが発生します。特に、繁忙期に短期スタッフが増える現場では、標準化された手順書や確認ルールの整備が欠かせません。

 

以下のような要素を明文化しておくと、作業の品質が安定しやすくなります。

 

      棚番・商品名の読み合わせ方法

      数量の確認ルール

      バーコード読み取りの手順

      棚を探す際の移動順序

      検品の担当範囲と確認項目

 

標準化が進むと、教育コストも下がり、経験差による品質のブレが小さくなります。


5-5 段階的なシステム導入を検討する

システム導入は一気に進める必要はなく、現場の課題や予算に応じて段階的に取り入れる方法も効果的です。

 

例えば、最初は「出庫頻度の高い」製品に対してのみランプによるデジタルピッキングを進め、徐々に管理製品を広げていく、といったステップを踏むことも可能です。

 

段階的な導入は、現場が混乱しにくく、作業者が新しい仕組みに慣れる時間を確保できるため、結果としてスムーズな運用につながります。




6.まとめ|効率化には運用改善と仕組みづくりが必要


ピッキング作業は、倉庫全体の生産性と出荷品質に直結する重要な工程です。

商品点数の増加や注文量の変動、人材不足が続く現場では、従来の紙リストや経験に頼った運用では、スピードと正確性を両立することが難しくなっています。

 

  1. 運用面の改善(ロケーション管理の見直しやレイアウト改善、ピッキングリストの標準化、作業ルールの統一)が効率化の土台となります。大きな投資を必要とせず、すぐに取り組める施策として効果を発揮します。


  2. 一方で、品目数の増加や繁忙期の負荷、作業者の経験差など、人の作業だけでは解決しきれない課題に対しても存在します。そのため、デジタルピッキング・タブレット・音声指示・バーコード照合などの ピッキング支援システムを活用した仕組み化(デジタルピッキング、タブレット、バーコード照合など) が、安定した品質と効率向上を実現する有効な手段になります。

 

これらをバランスよく組み合わせることで、「探さない・迷わない・間違えない」作業環境をつくり、持続的な効率化につなげることができます。

 

タカハタ電子では、現場の運用課題や倉庫レイアウトに合わせて導入できるデジタルピッキングシステムに関するご相談を受け付けています。

誤出荷の削減や作業効率の向上など、現場の改善を検討されている場合は、ぜひお気軽にお問い合わせください。


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