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公開日​:

2026年1月27日

ピッキングミスの原因と防止対策|倉庫の誤出荷を減らす実践ポイント

  • 執筆者の写真: 百合子 後藤
    百合子 後藤
  • 1月15日
  • 読了時間: 11分

倉庫や物流センターにおいて、数量違い・取り違え・検品漏れなどの「ピッキングミス」は、後工程や顧客対応に深刻な影響を及ぼします。EC需要の拡大や扱う商品の種類の増加に伴い、紙のリストや熟練者の経験に頼る従来の運用では、ミスをゼロにすることが極めて困難になっています。

こうした課題に対応するために、人による現場改善に加え、デジタル技術を活用したピッキング支援システムの導入が広がりを見せています。

本記事では、ピッキングミスの原因・現場ですぐにできる対策、そしてシステム活用のポイントまでを総合的に解説します。


目次


1.ピッキングミスが発生する主な原因


ピッキングミスは、作業者の熟練度や作業環境、棚配置、運用ルールなど、さまざまな要因が複雑に絡み合って発生します。

 

現場で頻繁に見られる主な原因は、次のようなポイントに集約されます。


1-1 類似商品の取り違え

色違い・サイズ違い・型番違いなど、外見の似た商品が近くに配置されていると、視認性の問題から誤って取り出されやすくなります。

特に、パッケージデザインがほぼ同じ商品や、型番がわずか数文字だけ異なる商品は注意していても間違いが起こる可能性があります。

 

また、急なレイアウト変更で元の位置と近い場所に類似商品が並んだ場合、作業者の「記憶」と実際の配置が一致せず、無意識に取り違えてしまうケースもあります。


1-2 棚番・ロケーション管理の不備

棚ラベルを新しいものに刷新して視認性を高めたり、類似商品やサイズ違いの商品を離れた棚に配置したりすると、探す時間の短縮に繋がります。

 

さらに、使用頻度の高い商品を取りやすい位置へ移動する工夫や、レイアウト変更時にロケーション情報を必ず更新する運用ルールの徹底も効果的です。


1-3 ピッキングリストの見づらさ

紙リストに項目が詰め込まれすぎている、あるいは棚順とリストの並びが一致していない場合、確認作業が複雑になり、誤読や見落としが発生しやすくなります。

 

長い商品名や英数字が多い型番は特に見間違えが起こりやすく、似た名称が続いて並ぶと作業者の集中力が低下しがちになります。

 

また、急な出荷変更によるリストの修正が、現場に反映されていないことも、現場の混乱につながる要因になります。


1-4 作業者の経験差や思い込み

熟練者は作業速度が速い一方、「確認しなくても分かる」という思い込みから、確認作業を省略してしまうことがあります。これが数量違いや取り違えの原因となるケースが見られます。

 

逆に新人や不慣れな作業者は、棚を探すことに意識が集中しすぎてしまい、数量の確認がおろそかになるなど、別の形でミスが起こりやすくなります。

 

経験差によって確認ポイントが異なるため、作業手順が標準化されていない現場では特にミスが発生しやすい状況となります。


1-5 繁忙期や過密スケジュールによる集中力低下

注文量が急増する繁忙期や、時間帯によって作業負荷が極端に高まると、作業者の集中力が続かなくなり、ミスが増える傾向があります。

 

特に、短時間で大量の注文を処理する必要がある現場では、確認作業が省略されやすくなり、数量違いや棚番の読み間違いが起こりがちです。

 

また、急な欠員や入荷の遅れなどでスケジュールが圧迫されると、通常なら発生しないような小さなミスが積み重なり、最終的に誤出荷へとつながることがあります。



2.現場で実施できるピッキングミス対策


ピッキングミスを完全にゼロにすることは難しいものの、現場の工夫によって大幅に削減することは可能です。

特に、人の手による運用改善はすぐに取り組める対策として、多くの現場で効果を上げています。

 

ここでは、実践しやすい代表的な改善方法を解説します。



2-1 ロケーション管理の見直し

棚番号やロケーションの整理は、最も基本的かつ効果の高い対策です。棚ラベルが見えにくい、色褪せている、配置変更後の更新が追いついていない、といった状態では探す時間もミスも増えてしまいます。

 

明確なロケーション管理のためには、以下のような改善が有効です。


●      棚ラベルの刷新・色分けによる視認性向上

      類似品やサイズ違いの商品を離れた棚に配置する

      使用頻度の高い商品を取りやすい位置に再配置する

      レイアウト変更時のロケーション更新を徹底する


視認性が高いロケーション管理は、経験者・新人を問わず、ミス削減に直結します。


2-2 倉庫レイアウトの改善

倉庫の動線が複雑だったり、通路が狭かったりすると、作業効率が低下するだけでなく、焦りや見落としによるミスも増える傾向があります。

 

多くの現場で効果があるとされるポイントは次の通りです。


●      通路幅を確保し、すれ違いによるストレスを減らす

●      ピッキング順に沿った効率的な動線を設計する

      高頻度商品を入口付近や中央部に集約する

      作業導線を整え、ムダな歩行を減らす


歩行距離が減ることで集中力が維持しやすくなり、結果として取り違えも起こりにくくなります。


2-3 ピッキングリストの標準化

 紙リストや Excel リストは現場で根強く使われていますが、表記ゆれや順番の不統一は誤読につながります。

 

現場の改善で効果が出やすい取り組みとしては、次のような「標準化」が挙げられます。

 

      リストの並び順を棚順に統一する

●      商品名・型番の表記を統一

      注意すべき商品に印や色付けをする

      数量欄を大きくする、フォントサイズを上げる

 

特に棚順の統一は効果が高く、「行ったり来たり」がなくなることで作業がリズム良く進み、ミスの発生も抑えられます。


2-4 教育の強化と作業ルールの統一

作業者の経験差はミスの大きな要因です。作業手順が属人化している限り、いくら注意してもミスは発生し続けます。

 

教育と統一ルールのポイントとして、以下が重要視されています。

 

      指差し確認・数量の声出し確認を徹底

      バーコード読み取りのタイミングを統一する

●      商品を手に取る前後の確認ステップを明確化する

      新人研修マニュアル・チェックリストを整備する

      作業スピードより「確認の正確さ」を重視した評価制度を導入する

 

共通ルールがあることで、経験者と新人の品質差が縮まり、現場全体の安定稼働につながります。


2-5 検品工程の追加

ピッキング工程だけでミスをゼロにするのは難しいため、後工程での検品が「最後の守り」として非常に有効です。

 

代表例としては次の方法があります。

 

      ダブルチェック(別作業者による再確認)

●      スキャン検品(バーコード照合)

●      出荷前の数量・品名の自動チェック

      定期的な棚卸しによる誤在庫の確認

 

中でもスキャン検品の導入は誤出荷防止に大きく貢献し、目視の負担を減らせるため、現場での評価が高い方法です。



3.手作業の改善には限界もある


ロケーション管理の見直しや作業ルールの統一は、どれも効果のある対策です。しかし、人が行う作業である以上、次のような限界が残ります。

 

      品目数が増えるほど棚管理が複雑化する

      繁忙期にミスが急増しやすい

      作業者ごとの経験差が品質に直結する

      商品入れ替えや棚移動のたびにルール修正が必要となる

●      紙や目視に依存する確認は、どうしても抜け漏れを完全には防げない

 

こうした課題が積み重なることで、ピッキング作業をデジタル化し、仕組みでミスを防ぐ運用へ移行する現場が増加しています。



4.ピッキングミス対策としてのシステム活用


手作業による改善は一定の効果がありますが、品目数の増加や繁忙期の負荷といった要因によりミスが発生しやすくなる場面は避けられません。

ミス防止 ハンディ
ハンディを使った検品作業

 

こうした課題に対して有効とされているのが、ピッキング支援システムを活用したデジタル化です。

 

ランプ表示や音声指示、バーコード照合などを組み合わせることで、目視や記憶に頼らない確実な仕組みを作ることができます。



4-1 デジタルピッキング(ランプ表示)

棚のランプや表示器が点灯し、ピッキングする場所と数量を明確に示す方式です。商品名や棚番を探す時間がなくなるため、取り違えが大幅に減少し、作業スピードも安定します。

 

類似商品が多い現場や、小物を大量に扱う倉庫で導入されることが多い手法です。

 

4-2 タブレット・ハンディ端末を使った指示

タブレットに表示される指示に沿って作業を進める方式で、棚順に沿ったルート案内や商品画像の表示など、紙リストでは実現できない工夫が可能です。

 

レイアウト変更や商品入れ替えにも柔軟に対応できるため、EC倉庫や多品種を扱う現場で利用が広がっています。


4-3 音声によるピッキング指示

ヘッドセットからの音声ガイドに従って作業する方式で、両手が自由になるのが大きな利点です。

 

重量物を扱う現場や、広く長い動線を移動する倉庫で使いやすく、視界に依存せずできるため、暗所や高所の作業にも適しています。


4-4 バーコードによる照合作業

ハンディを使ったポカよけ
ハンディを使ったポカよけ

商品バーコードをスキャンし、指示データと照合する方式です。数量の取り違えや見間違いを抑えるうえで非常に効果的で、検品工程の精度向上にも貢献します。

 

導入のハードルが比較的低く、小規模な倉庫でも取り入れやすい手法です。


4-5 組み合わせによるミス防止の強化

これらの方式は単独でも効果がありますが、現場の状況によっては複数を組み合わせることでより、高い精度が得られます。

 

たとえば、ランプ表示によるピッキングとバーコード照合による検品を組み合わせることで、取り違えと確認漏れの両方を抑制できます。



5.ミス削減を目指す倉庫がデジタル化を進める理由


倉庫のピッキング作業は、出荷品質を左右する重要な工程です。しかし、品目数の増加、作業量の変動、人材確保の難しさなど、従来の手作業だけでは対応が難しい課題が増加しています。このような背景から、多くの現場でデジタル技術を取り入れた仕組みづくりが進められています。

 

特に課題として大きいのが、誤出荷による返品・再配送にかかるコストの増加です。一件のミスが配送費・再梱包・追加工数を生み、繁忙期ほど負担が大きくなります。また、EC需要の拡大に伴い扱う品目が年々増加し、棚管理やロケーションの複雑化も進んでいます。

 

デジタル技術を使ったピッキング支援システム
デジタル技術を使ったピッキング支援システム

さらに、人手不足により経験者だけで現場を回すことが難しくなり、新人を早期に戦力化する仕組みが求められるようになりました。作業手順や確認方法を標準化し、「誰が作業しても一定品質を保てる体制」が必要とされています。

 

こうした課題に対応するために、注意力に頼る運用から「仕組みでミスを防ぐ」運用へとシフトする動きが強まっています。デジタル技術を使ったピッキング支援システムは、この流れを後押しする代表的な手段として注目されています。

 

 

6.まとめ|ピッキングミスを減らすには「仕組み化」が不可欠

 

ピッキングミスは、誤出荷や再作業の増加につながり、倉庫全体の負担を大きくする要因になります。原因を正しく把握し、ロケーション管理の見直しや作業ルールの統一など、現場で取り組める改善を積み重ねることで、一定の効果を得ることは可能です。

しかしながら品目数の増加や作業量の変動、人材確保の難しさといった課題を考えると、注意力だけに頼った運用にはどうしても限界があります。

 

デジタル技術を取り入れたピッキング支援システムを活用することで、

➊作業の標準化が進み、

➋人に依存しない安定した品質を保てるようになります。


これは、精度向上作業スピードの両立を図るうえでも、最も有効な手段のひとつです。



タカハタ電子では、現場の課題や運用環境に合わせて導入できるデジタルピッキングシステムについて相談を受け付けています。


誤出荷の削減や作業の標準化を進めたい場合は、ぜひ一度お問い合わせください。


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