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公開日​:

2026年9月4日

3PLの収益性改善を実現するには?利益率が低下する原因と改善策を解説

5 日前
読了時間: 15分


3PL(Third Party Logistics)は、荷主企業に代わって物流業務を包括的に請け負うサービスとして、多くの企業で導入が進んでいます。一方で、人手不足や人件費の上昇、物流コストの増加などを背景に、「取扱量は増えているのに利益が伸びない」という課題を抱える物流会社も少なくありません。

 

今後も安定した収益を確保するためには、利益率を低下させる要因を把握し、現場の課題に応じた改善を進めることが重要です。

 

本記事では、3PLの収益性改善が求められる理由や利益を圧迫する要因を整理したうえで、収益向上につながる改善策や物流システムを活用した業務改善の考え方について解説します。


目次

1.3PLとは?


3PL(Third Party Logistics)とは、荷主企業に代わって物流業務を包括的に請け負う物流サービスのことです。商品の保管や在庫管理、入出庫、ピッキング、梱包、配送手配など、物流に関わる業務を一括して受託し、物流全体の最適化を支援します。

 

荷主企業は物流業務を専門事業者へ委託することで、本来の事業に経営資源を集中できるほか、物流品質の向上や物流コストの最適化が期待できます。

 

一方で、3PL事業者は人手不足や物流コストの上昇、荷主からの価格引き下げ要求など、さまざまな課題に直面しています。そのため、収益性を維持・向上させるには、現場の生産性向上や業務の標準化、物流DXの推進が欠かせません。

 

近年では、物流システムを活用し、物流全体の最適化や業務効率化に取り組む3PL事業者も増えています。




2.3PLで収益性の改善が求められる理由


3PL事業では、物流需要の拡大に伴い、物流業務に求められる品質や対応範囲も年々広がっています。一方で、人手不足や物流コストの上昇などにより、従来と同じ運営方法では安定した利益を確保することが難しくなっています。

 

このような環境の変化に対応するためには、物流現場の生産性向上や業務改善を進め、収益性を高める取り組みが重要です。

 

ここでは、3PLで収益性の改善が求められる背景について解説します。


2-1 物流コストの上昇が続いている

近年は燃料価格や資材価格の高騰に加え、物流設備や倉庫運営にかかるコストも上昇しています。3PL事業では荷主との契約単価がすぐに見直されるとは限らず、コスト増加分を価格へ転嫁できないケースも少なくありません。その結果、売上が維持されていても利益率が低下しやすい状況となっています。

 

このような状況が続くなか、安定した利益を確保するためには、物流コストの上昇を前提とした収益性改善への取り組みが求められています。




2-2 人手不足による人件費の増加

物流業界では慢性的な人手不足が続いており、倉庫内作業員の確保も年々難しくなっています。人材を確保するために時給の引き上げや派遣スタッフの活用が増え、人件費は大きな負担となっています。

 

また、経験者の不足により教育期間が長くなり、生産性が安定するまで時間を要することも課題です。

 

このような状況から、人員を増やすだけではなく、限られた人員でも安定した物流品質を維持できる体制づくりが重要になっています。



2-3 荷主から求められる物流品質が高まっている 

荷主企業では、物流コストの削減だけでなく、納期遵守や誤出荷防止、柔軟な物流対応など、物流サービス全体の品質が重視されるようになっています。

 

そのため3PL事業者には、価格だけで競争するのではなく、安定した物流品質を維持しながら効率的に運営できる体制づくりが求められています。



3.PLの収益性が低下する主な原因


3PL事業では、外部環境の変化だけでなく、物流現場の運営方法によっても収益性は大きく左右されます。倉庫作業の非効率や在庫管理の精度不足、属人化した業務など、現場に課題が残っていると、生産性の低下や余分なコストの発生につながります。

 

ここでは、3PLの収益性を低下させる主な現場課題について解説します。


3-1 倉庫作業の非効率


3PLでは、入荷・保管・ピッキング・検品・出荷など多くの工程が連携して進みます。しかし、作業手順が統一されていなかったり、紙のリストを使ったピッキングを続けていたりすると、移動距離や作業時間が増え、生産性が低下します。

 

また、作業ミスが発生すると再ピッキングや返品対応などの追加コストも発生します。こうした非効率な業務を見直し、作業を標準化・デジタル化することが、収益性改善の第一歩です。


3-2 在庫管理の精度不足


在庫情報の精度が低いと、欠品や過剰在庫が発生しやすくなります。在庫差異があると、出荷遅延や誤出荷につながるだけでなく、棚卸しにも多くの時間と人員が必要になります。また、荷主からの信頼低下によって契約継続にも影響を及ぼしかねません。

 

そのため、在庫情報を正確に把握し、不要なコストや機会損失を防ぐことが重要です。


3-3 属人化した現場運営


特定の担当者だけが作業方法や保管場所を把握している「属人化」は、多くの物流現場で見られる課題です。ベテラン社員が不在になると作業効率が大きく低下し、新人教育にも時間がかかります。

 

また、担当者ごとに作業品質が異なると、誤出荷や作業遅延が発生しやすくなります。作業手順の標準化やデジタルピッキングの導入によって、経験に依存しない運用を実現することが、安定した収益確保につながります。


3-4 物流データを活用できていない

収益性を改善するためには、「どの工程に時間やコストがかかっているのか」を把握することが欠かせません。しかし、作業時間や出荷件数、人員配置などのデータを収集・分析できていない現場では、改善すべきポイントを見つけることが難しくなります。

 

作業時間や出荷件数などのデータを把握・分析できる環境を整えることで、改善すべき課題を明確にし、継続的な業務改善につなげやすくなります。



4.3PLの収益性を改善する7つの方法


3PLの収益性を向上させるには、コスト削減だけでなく、物流現場全体の生産性を高めることが重要です。作業工程の見直しや在庫管理の最適化、物流DXの推進など、複数の改善策を組み合わせることで、利益率の向上と物流品質の維持を両立できます。

 

ここでは、3PLの収益性改善につながる7つの方法を紹介します。


4-1 作業工程を標準化する


3PLの収益性を向上させるためには、まず倉庫内の作業工程を標準化することが重要です。担当者ごとに異なる作業方法では、生産性や品質にばらつきが生じ、教育にも時間がかかります。作業手順をマニュアル化し、誰でも同じ品質で作業できる環境を整えることで、作業時間の短縮やミスの削減が期待できます。

 

また、デジタルピッキングシステムを活用すれば、作業者へ最適な指示を表示できるため、標準化をさらに推進しやすくなります。

 

4-2 倉庫レイアウトを見直す

 

ピッキングや入出庫作業の効率は、倉庫レイアウトによって大きく左右されます。出荷頻度の高い商品を取り出しやすい場所へ配置したり、動線を短縮したりすることで、作業時間や移動距離を削減できます。

また、保管場所が整理されていれば、商品探索にかかる時間も短くなり、誤出荷防止にもつながります。

 

現場の作業実績を分析しながらレイアウトを継続的に改善することで、限られた人員でも高い生産性を維持しやすくなります。


4-3 在庫管理を最適化する

 

在庫管理の精度向上は、3PLの収益性改善に欠かせない要素です。在庫数をリアルタイムで把握できれば、欠品や過剰在庫を防ぎ、保管コストの削減にもつながります。

また、正確な在庫情報は出荷作業の効率化や荷主への迅速な情報提供にも役立ちます。

 

在庫情報をリアルタイムで管理できる仕組みを整えることで、入荷から出荷までの在庫情報を一元管理でき、在庫差異の防止や棚卸し業務の効率化を実現できます。

 

4-4 付加価値サービスを拡充する

 

3PLの収益性を高めるためには、保管や配送だけでなく、付加価値サービスを提供することも重要です。例えば、流通加工やラベル貼り、セット組み、検品、ギフト包装などの業務を請け負うことで、荷主の業務負担を軽減するとともに、新たな収益源を確保できます。

 

また、物流業務を一括して任せられる体制を構築することで、他社との差別化につながり、価格競争に巻き込まれにくくなる点もメリットです。

 

ただし、サービスを増やすだけでは作業負荷が高まり、生産性が低下する可能性もあります。WMSやデジタルピッキングシステムを活用し、作業を標準化・効率化しながら付加価値サービスを提供することで、利益率の向上と物流品質の維持を両立しやすくなります。

 

 

4-5 荷主ごとの収益を可視化する

 

3PLでは、荷主ごとに取扱商品や出荷量、流通加工の有無などが異なるため、同じ売上でも利益率に差が生じます。しかし、案件ごとの作業時間や人件費を把握できていないと、利益の出ていない案件に気付かず運用を続けてしまう可能性があります。

 

WMSなどの物流システムを活用し、作業時間や出荷件数、保管日数などのデータを収集・分析することで、荷主ごとの収益性を「見える化」できます。収益性の低い案件を把握できれば、業務フローの改善や適正な料金設定、付加価値サービスの提案など、利益率向上につながる施策を検討しやすくなります。

 

継続的に収益状況を分析することが、3PL事業の安定した利益確保と競争力の強化につながるでしょう。

 

4-6 KPIを設定して改善を継続する

 

収益性の改善は、一度の業務改善だけでは十分とはいえません。人時生産性(1人・1時間あたりの作業量)やピッキング精度、誤出荷率、在庫差異率、リードタイムなどのKPI(重要業績評価指標)を設定し、定期的に成果を確認することが重要です。これらの指標を継続的に分析することで、どの工程に課題があるのかを客観的に把握し、改善効果を検証しながら効率的な業務改善を進められます。

 

また、KPIを継続的に確認し、改善活動を定着させることが重要です。

 

4-7 物流DXを推進する

 

近年は、人手不足や物流量の増加などの課題に対応するため、物流DXを推進する3PL事業者が増えています。物流DXとは、デジタル技術を活用して物流現場の業務を効率化し、生産性や物流品質の向上を目指す取り組みです。

 

物流システムを活用することで、作業の標準化や情報共有の効率化、データに基づく継続的な業務改善を進めやすくなります。自社の課題に応じて適切な仕組みを取り入れることが、3PL事業の収益性改善につながります。



5.デジタルピッキングシステムが収益性改善につながる理由

 

デジタルピッキングシステムは、物流現場の作業効率や品質向上を支える物流DXの代表的なソリューションです。ピッキング作業の効率化だけでなく、誤出荷の防止や教育負担の軽減にもつながるため、3PL事業の収益性改善に大きく貢献します。ここでは、デジタルピッキングシステムが収益性向上につながる理由を紹介します。


5-1 ピッキング時間を短縮できる

 

ピッキング作業は、物流倉庫の中でも多くの時間を占める工程です。紙のリストを見ながら商品を探す方法では、確認や移動に時間がかかり、作業効率が低下しやすくなります。

 

デジタルピッキングシステムは、作業者へ商品の保管場所や数量をランプや表示器でわかりやすく案内するため、迷うことなく作業を進められます。その結果、移動時間や確認作業を削減でき、限られた人員でも多くの出荷に対応しやすくなるため、業務の効率化と収益性改善につながります。

 

5-2 作業ミスを削減できる

 

誤出荷や数量間違いは、再出荷や返品対応などの追加コストを発生させるだけでなく、荷主からの信頼にも影響します。デジタルピッキングシステムは、ランプやデジタル表示によって作業場所や数量を明確に指示するため、確認漏れや思い込みによるミスを防ぎやすくなります。

 

誤出荷や数量間違いが減ることで、再出荷や返品対応などの余分なコストを抑えられ、物流品質の向上にもつながります。

 

5-3 教育期間を短縮できる

 

物流業界では人手不足が続くなか、新人スタッフや派遣社員が短期間で戦力となる体制づくりが求められています。デジタルピッキングシステムは、作業者へ必要な情報を視覚的に表示するため、複雑な保管場所や商品知識を覚えていなくても作業を進められます。

 

そのため、教育期間を短縮できるだけでなく、担当者による作業品質のばらつきも抑えられます。繁忙期の増員にも対応しやすくなり、安定した現場運営と人件費の最適化にも貢献します。

 

5-4 繁忙期でも安定した作業品質を維持できる

 

EC需要の拡大や季節商材の出荷増加により、物流倉庫では繁忙期に作業量が大幅に増えることがあります。こうした状況では、経験の浅いスタッフが増えることでミスや作業遅延が発生しやすくなります。デジタルピッキングシステムを活用すれば、作業手順を標準化し、誰でも同じ流れで作業できるため、繁忙期でも品質を維持しやすくなります。

 

出荷量が増える繁忙期でも、作業品質を維持しながら安定して出荷できる体制を構築しやすくなるため、機会損失や追加コストの抑制につながり、3PL事業の収益性向上に貢献します。









6.WMSやデジタルピッキングを組み合わせるメリット

 

WMS(倉庫管理システム)とデジタルピッキングシステムを連携させることで、現場作業と在庫管理の情報を一元的に管理できるようになります。これにより、倉庫業務全体の効率化だけでなく、在庫管理の精度向上や物流品質の安定化も期待できます。

 

ここでは、両システムを組み合わせることで得られる主なメリットを紹介します。

 

6-1 リアルタイムで在庫を把握できる

 

WMSとデジタルピッキングシステムを連携させることで、入荷・保管・ピッキング・出荷までの在庫情

報や作業状況をリアルタイムで管理できます。在庫状況を正確に把握できれば、欠品や過剰在庫を防ぎやすくなり、荷主からの問い合わせにも迅速に対応できます。

 

また、在庫差異の早期発見にも役立つため、棚卸し業務の効率化や物流品質の向上にもつながります。正確な在庫管理は、荷主への安定したサービス提供を支え、3PL事業の信頼性向上にもつながります。

 

6-2 現場全体の生産性を見える化できる

 

WMSとデジタルピッキングシステムを連携させることで、作業時間や出荷件数、ピッキング実績などのデータを一元的に把握しやすくなります。どの工程に時間がかかっているのか、どの時間帯に作業が集中しているのかを数値で確認できるため、改善すべきポイントを明確にできます。

 

勘や経験だけに頼らず、データをもとに課題を把握できるため、現場全体の生産性向上につながります。

 

6-3 改善活動を継続しやすくなる

 

収益性の改善は、一度システムを導入して終わりではありません。WMSとデジタルピッキングシステムを連携して取得したデータを活用することで、KPIの達成状況や改善効果を継続的に確認できます。

 

作業工程やレイアウト、人員配置などを定期的に見直し、PDCAサイクルを回すことで、現場の課題に合わせた改善を続けられます。

 

こうした継続的な改善活動を積み重ねることで、生産性や物流品質の向上につながり、安定した収益を確保しやすい運営体制の構築が期待できます。

 

 

7.3PLの収益性改善ならタカハタ電子にご相談ください

 

3PL事業では、人件費の上昇や人手不足、誤出荷防止、生産性向上など、さまざまな課題への対応が求められます。収益性を改善するためには、自社の現場課題を整理したうえで、運用に適した仕組みやシステムを選定することが重要です。

 

タカハタ電子では、物流現場の運用や課題に合わせたデジタルピッキングシステム(DPS)の提案・導入をはじめ、物流業務の効率化を支援するソリューションを提供しています。現場ごとの運用に適したシステムを構築することで、作業時間の短縮や誤出荷の削減、教育負担の軽減など、収益性向上につながる物流現場づくりをサポートします。

 

また、WMSとの連携にも対応しており、既存システムや現場の運用に合わせたシステム構築が可能です。導入後の運用も見据えながら、物流現場の課題解決と継続的な業務改善を支援し、3PL事業における収益性向上をサポートします。

 

「人手不足で現場が回らない」「ピッキングミスを減らしたい」「物流業務を効率化したい」といった課題をお持ちの場合は、現場の運用や課題に合わせた改善策を検討することが重要です。タカハタ電子では、物流現場の状況に応じたシステムをご提案していますので、3PL事業の収益性改善をご検討の際は、お気軽にご相談ください。

 

7-1 導入事例|株式会社東発様

導入事例|株式会社東発はこちらから
導入事例|株式会社東発はこちらから

 生鮮食料品の物流を担う株式会社東発様では、"獲れた状態のまま"を毎日決まった時間に届けることを使命とし、迅速・安全・正確な配送体制の構築に取り組んでいます。

 

しかし、交通状況や気象状況によって日々変化する物流量に対し、限られた人員で安定した作業品質を維持することが課題となっていました。

 

同社では、デジタルピッキングシステムの導入により、変動する物量を平準化しながら作業を進められる体制を実現。繁忙期や物量の増減に応じて柔軟に対応できるようになったことで、現場の生産性向上と安定した配送品質の両立につながっています。

 

 

8.まとめ|3PLの収益性改善は物流DXが重要なポイント

 

人件費や物流コストの上昇、価格競争の激化などにより、3PL事業では収益性の改善がこれまで以上に重要な課題となっています。利益率を向上させるためには、現場の運用状況を踏まえ、作業工程の標準化や在庫管理の最適化、継続的な業務改善に取り組むことが重要です。そのうえで、デジタル技術を活用することで、生産性と物流品質のさらなる向上が期待できます。

 

デジタルピッキングシステムは、ピッキング作業の効率化や誤出荷の削減、教育負担の軽減などを支援する物流DXの代表的なソリューションです。さらに、WMSと連携することで、現場全体の生産性や在庫管理の精度を高め、より効率的な物流運営につながります。

 

3PL事業で安定した利益を確保するためには、自社の課題や現場の運用に合わせて適切な改善策を検討し、生産性と物流品質を高めていくことが重要です。

 

物流DXは、生産性と物流品質の向上を支える有効な手段の一つであり、現場に適した仕組みを構築することが、競争力の強化と持続的な収益性改善につながるでしょう。

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